見学会:履歴(過去の手記)
日本機械学会関西支部 2015.10.28公開


第643回見学会参加記録

 開催日: 2015年9月16日(水)
 見学先: 株式会社神戸製鋼所 神戸製鉄所/神鋼神戸発電所
 参加人数: 32名(正員24名、学生2名、会員外2名、幹事3名、事務局1名)

【施設概要】
 神戸製鉄所は,1959年の操業開始以来,阪神・淡路大震災による被害を克服し,長きに渡って,高い技術力を必要とする自動車向け高級特殊鋼(特に、自動車エンジン弁ばね用素材における世界シェアは約50%)を生産し続ける高炉一貫製鉄所です。神鋼神戸発電所は、2002年に地域と共生する都市型発電所として稼働を開始し,2004年に稼動の2号機と合わせ出力140万kWを誇ります。これは神戸市の夏場のピーク電力需要の約7割を賄うことが可能な規模であり、神戸市の電力自給率の向上、電力供給系統の多重化の役割も果たすことで、災害に強い都市づくりにも役立っています。

【見学内容】
 当日は、神戸製鉄所総務部の崩田憲一郎部長より神戸製鉄所の概要や現在の取り組について、また、IPP本部計画室の西村博夫室長からは、神鋼神戸発電所の概要と神戸製鋼として発電事業を取り組むことに決めた経緯や発電事業の特徴、今後の取組み等についてご説明を頂いた後、工場見学へと移りました。
 工場見学では、神戸製鉄所総務部の田中繁好副部長に引率頂き、初めにエンジン用弁ばねなどの自動車の重要保安部品の素材となる特殊鋼線材を生産している第7線材工場を見学させて頂きました。鋳造した鋼を分塊圧延した「ビレット」とよばれるものから、圧延と冷却を繰り返しφ5.5mm~φ22.0mmの特殊鋼線材ができる過程について、順を追ってご説明頂きました。また、敷地内をバスで移動する際には、高炉から出銑される様子も見ることができました。
 続いて、神鋼神戸発電所に向かい、灘浜サイエンススクエアのガイドの案内により、神戸製鉄所の敷地内を一望できる建屋の屋上から、原料となる石炭が輸入船~貯蔵タンク~各発電所に送られるルートについて粉塵の飛散を防止する密閉構造式の搬送・貯蔵設備となっていることや、発電所の排熱を有効利用して地域の酒造関連各社に蒸気を供給していることなどをご説明頂きました。また、蒸気タービン・発電機、中央操作室の見学もさせて頂きました。
 見学中は終始、参加者からの質問にお答え頂きながらの移動となりましたが、見学後の質疑応答でも参加者からの熱心な質問に対し、予定時間を過ぎたにも関わらず丁寧な回答をして頂き、充実した内容となりました。

【謝辞】
 最後になりましたが、当日お世話になりました神戸製鉄所の皆様に心より感謝申し上げます。

   日本機械学会 関西支部 企画幹事
   尾形 雄司(パナソニック(株))