講習会:履歴(過去の案内)
日本機械学会関西支部 2017.3.1公開


第349回講習会
「構造・強度設計における数値シミュレーションの基礎と応用」

 
協 賛 精密工学会関西支部,日本航空宇宙学会関西支部,日本材料学会関西支部,日本建築学会近畿支部,土木学会関西支部,自動車技術会関西支部,日本フルードパワーシステム学会,日本ロボット学会,日本ガスタービン学会,日本船舶海洋工学会関西支部,日本騒音制御工学会,日本マリンエンジニアリング学会,農業食料工学会,電気学会,ターボ機械協会,日本工作機械工業会,京都工業会,兵庫工業会,奈良経済産業協会,滋賀経済産業協会,大阪科学技術センター,日本技術士会近畿本部,溶接学会関西支部
日 時
2017年5月 29日(月) 10:00~16:30
30日(火)   9:30~16:30
会 場 大阪科学技術センター 8階 中ホール
〔大阪市西区靱本町1-8-4/電話(06)6443-5324/地下鉄四つ橋線「本町」駅下車 28号出口北へ400m〕
趣 旨 近年ますます複雑化する機械構造物の構造挙動を把握し,設計の合理化や期間短縮を図るために,数値シミュレーション技術が広く適用されています.目的に合った精度のシミュレーション結果を得るためには,対象物の構造・強度・現象を本質的に理解し,これを適正にモデリングすることが不可欠です.そこで本講習会では,数値シミュレーション技術に不可欠な基礎知識や理論を分かり易く解説するとともに,各産業界における種々の適用例を基に,モデリングや結果の妥当性を考える上での留意点や勘所を具体的に説明します.これからシミュレーション技術を身につけようとされる方はもとより,既にある程度の知識や技術をお持ちの方にとっても,スキルアップにつながる絶好の機会ですので,ぜひご参加ください.
キーワード 数値シミュレーション,構造・強度設計,衝突・衝撃,強度評価,トライボロジー,マルチスケール解析
題目・内容・講師
時間 題目 内容 講師
第1日目:5月29日(月)
10:00~12:00 構造・強度設計のための数値シミュレーションの基礎 今日,数値シミュレーション技術は機械構造物や機器の設計に日常的に使用されている.汎用の有限要素解析コードは幅広い問題に対応可能で,プリ・ポストプロセッサの機能も飛躍的に向上している.一方,実機を対象とした数値解析を成功させるためには,有限要素法の基礎理論に関する最低限の知識が不可欠である.ここでは,解析技術向上の一助とすることを目的として,実機を対象とした数値シミュレーションを実施する上で有用な基礎知識を整理し,応力場と温度場の連成問題も含めて,実用的に有効な結果を得るためのヒントを説明する. 神戸大学 大学院 海事科学研究科
福岡 俊道
 
13:00~14:00 FEM解析の留意点と適用事例(使用済み核燃料輸送容器の衝撃解析) 原子力発電所で発生する使用済み核燃料を輸送するための容器(キャスク)は,タイプによっては100tを超える重量を有しており,輸送時の安全性を確保するために衝撃を吸収する緩衝体が設置されている.信頼性の高いキャスク本体および緩衝体を設計するために,シミュレーションが有効なツールとして用いられている.ここでは,数値シミュレーションの構造・強度設計への適用事例として,キャスクの落下衝撃解析を紹介する.精度のよい解析を進める上での留意点を紹介しつつ,落下試験のシミュレーション方法を実験結果との比較も含めて説明する. Hitz日立造船(株) 技術開発本部 技術研究所
岡田 潤
14:15~15:15 構造・強度解析と最適化 最適化は構造物の性能を向上させるための有効なひとつの解析手法である.近年,構造・強度設計においては,有限要素法に代表される構造解析手法を用いることで構造物の性能予測が可能となり,結果として大幅な開発工数の短縮と開発コストの削減が可能となった.さらに設計支援として最適化の手法を導入することで,構造物の性能予測のみならず要求される性能を満たす部品形状を短期間で得ることも可能となった.最適化法の基本的な考え方は,構造解析も含む連続体の解析理論にも導入されている.したがって,最適化法の理論を理解することは,CAEで得られた解の妥当性を判断するために大きな助けとなる.本講習では,最適化理論の基礎について説明するとともに,最適化CAEアプリケーションを用いた事例を紹介する. (株)IDAJ 解析技術1部
古口 睦士
15:30~16:30 電機製品における信頼性設計と数値シミュレーションの活用 近年,開発・設計期間の短縮が求められるとともに,製品の信頼性向上が重要視されている.そこで,数値シミュレーションや最適設計が適用されつつあるが,電機製品設計においては,個々の製品が多機能であり,評価する項目が多いこと,製品が多品種であるために品種当たりの開発費や人件費が限られていること,開発期間が短いこと,などの課題がある.ここでは,これらの課題を述べるとともに,数値シミュレーションや最適設計を有効活用するための方法案および適用事例を紹介する. 三菱電機(株) 先端技術総合研究所 機械システム技術部
越前谷 大介
第2日目:5月30日(火)
  9:30~10:30 衝撃シミュレーションに必要な動的材料特性の構成モデルとその高精度化 衝突・衝撃シミュレーションでは,材料の変形特性(真応力-真ひずみ関係)にひずみ速度依存性を考慮する必要があり,そのために種々の構成モデルが提案されている.一方,材料の破断を伴う解析を行う場合,高ひずみ域までの変形特性が必要となるが,通常の引張試験ではネッキング発生以降に三軸応力状態となるため,構成式で必要な単軸状態での変形特性を求めることは容易ではない.ここでは,各種構成モデルの大変形域かつ広いひずみ速度域への適用性を明らかにするとともに,引張試験を再現したシミュレーションからネッキング発生以降の三軸応力状態を単軸応力状態へ補正する手法について説明する. 伊藤忠テクノソリューションズ(株) 科学システム事業部
津田 徹
10:45~11:45 陸・海・空の輸送機器における耐衝突・衝撃設計への数値シミュレーションの適用 数値シミュレーション結果は,様々な仮定のもとに導き出される近似解であり,必要とされる精度のシミュレーション結果を得るためには実験結果との整合性に注意する必要がある.ここでは,実験による数値シミュレーションの妥当性の確認における留意点・勘所について,地下鉄車両の衝突,コンテナ船のスラミング,および航空機翼への鳥衝突を対象とした耐衝突・衝撃設計への数値シミュレーションの適用事例を基に説明する. 川崎重工業(株) 技術開発本部 技術研究所
矢木 誠一郎
 
13:00~14:00 接触問題における数値シミュレーションの基礎と機械部品への適用 機械部品の接触面において,摩擦係数は最も予測困難なパラメータの一つである.まず,表面における数ナノメートル程度の厚さの潤滑剤の存在によって機械特性が大きく変化するため,系のアスペクト比が極端であり,3 次元的なモデリングが困難である.また,接触する二面および介在する潤滑剤の三者の,表面粗さからテクスチャリングに至るマルチスケールな表面形状における応力や熱に対する材料特性が複雑に絡まりあっているため,第一原理的に積み上げて予測する必要が本来あるからである.ここでは,ナノレベルからの摩擦予測について,固体潤滑,境界潤滑,流体潤滑のそれぞれに関するシミュレーション技術を紹介し,マクロスケールの機械設計につなげるための展望について述べる. 兵庫県立大学 大学院 シミュレーション学研究科
鷲津仁志
14:15~15:15 マルチスケール解析を利用した複合材料の強度予測 ものづくりにおいて,数値シミュレーションは専任者から設計者まで幅広く浸透してきており,より実現象に近いアウトプットが要求されている.一方で,強度向上や軽量化のために複合材や積層構造を利用した製品開発が進んでいるが,その数値シミュレーションによる強度予測は一般的な金属材料と比較して困難とされてきた.これは,繊維と樹脂からなる不均質な微視構造を,解析規模の観点からそのまま有限要素モデル化できないためである.この問題を解決する手段として,マルチスケール解析の基礎と,複合材料の強度をプレス成形や射出成形等の成形履歴を含めて予測した事例を紹介する. サイバネットシステム(株) メカニカルCAE事業部
齋藤 圭一
15:30~16:30 自動車鋼板溶接部の破断シミュレーション手法と部材強度評価への応用 自動車部材の組立に多用されるスポット溶接部の破断防止策を検討するために,高精度な破断シミュレーション手法が求められている.スポット溶接部の破断形態と強度は材料,負荷モード,溶接部寸法等の影響を受け,この複雑な挙動を精度良く評価することが重要となる.そこで,応力三軸度に着目し,上記因子の影響を統一的に考慮しうる破断判定基準を提案するとともに,これをFEM解析モデルに組み込んだ破断予測手法を構築した.ここでは,破断判定基準の導出方法と,種々の材料・板厚等の組合せによる溶接部の破断予測結果について述べる.また,レーザ溶接部への応用事例も紹介する. 新日鐵住金(株) 技術本部 鉄鋼研究所
上田 秀樹
 
定 員 100名
申込締切 2017年5月22日(月)(締切り後でも定員に余裕があれば受け付けますので,お問合せ下さい)
聴講料

〔2日間の参加の場合〕
会員  30,000円(大学,官公庁関係15,000円,学生員4,000円)
会員外50,000円(会員外学生8,000円)
〔1日のみの参加の場合〕
会員  20,000円(大学,官公庁関係10,000円,学生員4,000円)
会員外30,000円(会員外学生8,000円)
※学生は参加日数にかかわらず同一料金です.

申込方法 受付を終了しました.
◎ 本講習会はこちら 【申込書】より申込みが出来ますので,ご利用下さい.

郵送,FAXまたはE-mailの場合は「関西支部第349回講習会申込」と題記し,(1)氏名・会員資格,(2)勤務先・所属部課名・住所,(3)通信先,(4)所属学協会名,(5)送金方法・送金額(内訳)・送金予定日および請求書の要・不要,(6)1日のみ参加の場合は参加日を明記のうえ,関西支部宛お申し込み下さい.聴講料は後日送付する請求書に記載の銀行口座または郵便振替口座宛ご送金下さい.現金書留または当日支払いも受け付けます.

申込先 一般社団法人日本機械学会関西支部
   〒550-0004 大阪市西区靱本町1-8-4 大阪科学技術センタービル内
   TEL:06-6443-2073 FAX:06-6443-6049 E-mail:info@kansai.jsme.or.jp
その他 (1)申込受付後,聴講券をお送りしますので,両日とも必ずご持参ください.
(2)協賛学協会員の方も本会会員と同様にお取り扱い致します.
(3)受講をキャンセルされる場合は2日前までにご連絡願います.2日前までにご連絡のない場合は聴講料をお支払いいただきます.

※お申込みの際にご提供いただいた個人情報は,当該行事の運営業務のために利用するほか,当支部が主催する講習会・セミナーのご案内のために利用させていただきます.本講習会でWeb掲載用に講習会の様子の写真撮影を行いますのでご了承ください.今後のご案内が不要の場合はお知らせください.