講習会:履歴(過去の案内)
(社)日本機械学会関西支部 2008.9.9更新


第298回講習会
「熱応力による変形・破壊の評価方法と対策事例」
─デモ展示付き─

(申し込みコード番号:84-07)
協 賛 日本材料学会関西支部,日本金属学会関西支部,日本鉄鋼協会関西支部,日本塑性加工学会関西支部,日本複合材料学会,溶接学会関西支部,日本建築学会近畿支部,日本原子力学会関西支部,日本航空宇宙学会関西支部,自動車技術会関西支部,精密工学会関西支部,日本非破壊検査協会関西支部,日本溶接協会大阪府支部,日本船舶海洋工学会関西支部,土木学会関西支部,日本ガスタービン学会,日本伝熱学会,日本鉄道技術協会,日本自動車工業会,京都工業会,兵庫工業会,奈良工業会,滋賀経済産業協会,大阪科学技術センター
日 時
2008年10月 23日(木)  9:30~16:50
24日(金)  9:30~16:50
会 場 大阪科学技術センター 8階 中ホール
[大阪市西区靱本町1-8-4/(06)6443-5324/地下鉄四つ橋線「本町」駅下車,28号出口北へ400m.靭(うつぼ)公園の北側]
趣 旨 熱応力は,運転によって温度上昇する機器,溶接プロセス,建造物の火災などさまざまな場合で問題になります.大型装置から電子機器にいたるまで,省エネルギーの観点から装置の起動停止が頻繁化しています.また,エネルギー効率の点からは使用温度が高温化する傾向にあります.このような状況では熱応力による負荷は増加・過酷化します.溶接では熱応力に加えて変態応力も発生し,これが寸法精度の問題となって現れます.また建築物では火災時の熱応力に対する耐火設計が安全性確保の点から重要になります.このような問題に取り組むために,本講習会ではまず,熱応力や溶接変形の計算・シミュレーション技術ならびに損傷評価の理論を基礎から解説します.さらに各産業界における熱応力や変形・損傷の評価および対策例を具体的に説明します.熱応力解析をこれから始める方はもとより,設計や信頼性評価に発展させたいと計画されている方にとって,本講習会は大いに参考となる内容になっております.また,数値シミュレーションを中心にした最新の評価技術のデモ展示を併設して紹介します.
キーワード 熱応力,熱疲労,クリープ,応力計測,残留応力,数値シミュレーション
内容
第1日目:10月23日(木)
9:30~11:00 熱応力問題の解析的方法 大多尾義弘(大阪府立大学大学院 工学研究科)
厳しい使用温度環境の下で,機械構造物や機器等に生じる熱応力・熱変形に対して,その初歩的一次元問題から複雑な三次元問題に至る解析的方法を平易に解説するとともに,その低減のための考え方について述べる.
11:10~12:40 高温疲労・熱疲労寿命とその予測方法 岡崎正和(長岡技術科学大学大学院 工学研究科)
高温負荷環境下ではクリープによる時間依存の損傷が生じ,応力の繰返しによる疲労損傷と相互作用によって,複雑な破壊機構を示す.このような高温での(熱疲労を含む)疲労寿命の評価方法について基礎から解説する.
13:40~15:10 実構造物の溶接変形予測を目的とした解析法 村川英一(大阪大学 接合科学研究所)
溶接構造物の製作において溶接変形は不可避であり,これを低減するためには予測とこれに基づく制御が必要である.しかし,溶接に伴う力学現象は,非定常,非線形問題であり,有限要素法を用いた解析には膨大な計算時間を要する.そこで,実構造物を対象とした実用的変形予測法の現状と展望について述べる.
15:20~16:50 高温機器の健全性評価~応力計測/クリープ疲労き裂進展予測~ 平松秀基(川崎重工業(株) 技術研究所)
高温機器の健全性評価では熱応力や残留応力の計測が重要となる.高温熱応力計測として,高温ゲージ,レーザースペックルや薄膜ゲージの適用例について紹介するとともに,溶接残留応力の計測と解析評価について紹介する.さらに,余寿命評価に必要となる損傷計測法や破壊力学によるクリープ疲労き裂進展予測法についても現状を紹介する.
第2日目:10月24日(金)
9:30~10:30 高温機器のクリープ・疲労寿命評価手法 伊達新吾(三菱重工業(株) 高砂研究所)
火力・化学・原子力プラントなどの構造物は高温で使用されるため,クリープ損傷や応力の繰返しによる疲労損傷およびそれらの相互作用(クリープ疲労)による損傷を生じる場合がある.そのため設計においてそれらを防止するための評価が重要となる.これら高温機器の寿命評価手法例や損傷事例について紹介する.
10:30~11:30 電機・電子機器の熱応力問題 田宮洋一(三菱電機(株) 先端技術総合研究所)
電機・電子製品の熱応力問題の事例として,回転電機の稼動時発熱に伴う熱応力・熱変形および疲労強度評価に関する話題および電子デバイス実装基板のはんだ接合プロセスにおける熱応力問題と実装製品の熱疲労寿命評価に関する話題を紹介する.
11:40~12:10 電子部品の熱応力解析と信頼性評価 大川清一郎((株)NEC情報システムズ 先端技術ソリュ-ション事業部)
半導体パッケージや電子部品は,熱膨張率等の性質が異なる多様な材料から構成されている.このために電子部品の開発には,温度変化に伴う変形による影響を十分に検討することが必要となる.このような電子部品の熱変形問題への数値解析適用事例について紹介する.
12:10~12:40 国産非線形構造解析パッケージFTVおよびFINAS/TPSの紹介 田村茂之(伊藤忠テクノソリューションズ(株))
FTVは,汎用非線形FEMコードFINASと,次世代型CAEプリポストシステムTSVを統合したシステムであるが,大規模アセンブルモデルのメッシュを高速かつ高品質に生成し,各種構造解析から結果表示までを統一したシステム上で容易に行うことが可能である.FTVの優れた機能と熱応力解析等の事例を紹介する.また,FINAS/TPSによる鋼部品の熱処理残留応力解析についても紹介する.
13:40~14:30 ソフトウェアの解説付きデモ紹介 (株)NEC情報システムズ
伊藤忠テクノソリューションズ(株)
14:40~15:40 自動車用排気系部品の熱疲労評価方法 石井和夫((株)本田技術研究所 四輪開発センター)
自動車用部品の中でも排気系部品の熱疲労は予測が困難な事象のひとつであり,これまでもいくつか評価方法が提案されてきている.本講では,その中でも実用的と考えられる拘束率による熱疲労の評価手法について,原理と実測方法およびシミュレーションの事例について紹介する.
15:50~16:50 建築構造物の火災安全設計と熱応力 道越真太郎(大成建設(株) 技術センター)
建築構造物は火災時,部材断面内の温度分布の非線形性,部材端部の支持条件,拘束条件により熱応力を受ける.また,部材の熱膨張により他の部材には応力,変形が生じる.これらの現象と火災安全設計の関係を述べ,過去の火災被害事例について考える.また,構造物の耐火構造実験の例を紹介する.
定 員 100名
聴講申込締切 2008年10月16日(木)(定員に余裕があれば、2日前まで申込を受け付けます)
聴講料

〔2日間の参加の場合〕
会員30,000円(大学,官公庁関係15,000円,大学院生・学生員10,000円),会員外50,000円(一般学生15,000円)
〔1日のみの参加の場合〕
会員20,000円(大学,官公庁関係10,000円,大学院生・学生員7,000円),会員外30,000円(一般学生10,000円)
ただし,いずれも教材1冊分の代金含む.

教材のみ 教材のみご希望の方は,1冊につき会員4,000円,会員外5,000円を添えてお申し込み下さい(送料は不要).
講習会終了後発送致します.
申込方法 受付を終了しました.
◎ 本講習会はこちら 【申込書】より申込みが出来ますので、ご利用下さい.

郵送,FAXまたはE-mailの場合は,「関西支部第298回講習会申込」と題記し,(1)氏名・会員資格,(2)勤務先・所属部課名,(3)通信先住所・電話,(4)所属学協会名,(5)送金方法・送金額(内訳)・送金予定日および請求書の要・不要,(6)1日のみ参加の場合は参加日を明記のうえ,関西支部宛お申し込み下さい.聴講料は後日送付する請求書に記載の銀行口座または郵便振替口座宛ご送金ください.現金書留または当日支払いも受け付けます.
その他

(1)申込受付後,聴講券をお送りしますので両日とも必ずご持参下さい.
(2)協賛学協会員の方も本会会員と同様にお取り扱い致します.
(3)受講をキャンセルされる場合は2日前までにご連絡願います.2日前までにご連絡のない場合は聴講料をお支払いいただきます.
(4)CPDポイント登録致しますので機械学会会員(個人)の方は必ず会員証カードをご持参下さい.

※講習会の申し込みに際しお届けいただいた個人情報は,聴講券の送付,当支部からの連絡等にのみ使用させていただきます.